評議会議員的正義の在処



「一体どういうつもりなんだね?プレヴィ君?」

「何か問題でもおありですか?ジョンさん。」


わが愛娘を泣かせた憎き男、プレヴィ・ブルゴスにわざわざ俺が会いに来ているのにはわけがあった。



「何かも何も、問題大ありだろ!?

なんでよりにもよって“変な色”なんだ!!」

バンッ!と大きな音をたててテーブルを叩いた。

そう、ミダナァムのこの男は、毎年5日に行われる議会でよりにもよって“変な色”を提案したのだ。


「なんでって・・・面白いと思ったからですけど・・・」

「面白いだと!?そんなに滑稽か!?バハウルグ長のこの俺が!!」

「あはは・・・滑稽だなんてとんでもないです。

よくお似合いですよ、お父さん。」

どこまでも朗らかに笑いやがってこのぼんやり男が・・・


しかも、“お父さん”・・・?


「“お父さん”だと?俺にはこんな老けた息子はいねぇよ。

俺の息子は可愛い可愛いグレルトと気の良いミンソン君だけだ。」

「おやおや・・・」

“困った人だ”とでも言いたそうな顔で、奴は軽く笑った。



俺の怒りが今にも頂点に達しようとしていた時に、娘のスズナが茶を持って現れた。

「どうしたの?パパ。いきなり怒鳴り込んできて・・・」

コトリと花茶をテーブルに置くと、スズナは奴の隣に腰掛けた。


この男のふざけた所を知らんからな、スズナは。


「スズナ・・・この男はよりにもよって議会で“変な色”を提案したんだよ。

問題だろ?議会をなめているとしか思えん。」

「また?プレヴィも好きねぇvv」

スズナはニッコリ微笑んで、花茶を冷ましながらすすった。

「あはは。まぁね。」

「ほらやっぱり!!ふざけて提案したな!!

少しは俺の・・・国民の迷惑も考えろ!!」



そうだ。議会は国民の事を考えて提案しなければならないんだ。

これで俺の意見は筋が通ったぞ。

俺のわがままではなくなったはずだ。


どうだ!?もう反論できまい!?



「でも皆さんに否決されたじゃないですか。(賛成してたのは僕とモーティくらいで)

今回はたまたま議長さんと意見が一致しただけで・・・」



う・・・


そういえばそうだった・・・。

いやいや、ここで引き下がってたまるか!!


「・・・裏で議長と取引してるんだ。そうに決まってる!」

「お父さん・・・子供じゃないんですから・・・」

「パパ!!

いくらバハウルグ長の服が一番変だからって、プレヴィのせいにしないで!」


くそう・・・

スズナにそう言われると俺は弱い・・・。


「スズナ・・・父さんはね・・・?」

「もういい!プレヴィを悪く言うパパなんて知らない!!帰って!!」

「ス、スズナ・・・!」


くそぅ・・・

スズナを味方につけやがって・・・なんて卑怯な奴だ・・・




「お父さん、お気をつけて。」




・・・なんて嫌な男だ。

いつか俺が議長になったら、議長命令であいつを首にしてやる・・・!!