信じる心


◆サイドストーリーの背景

 今回の話に登場するプレヴィ・ブルゴスは現ミダナァム、その恋人モーティ・ブルゴスは現在コークナァム継承権第1位です。
お互いに「ナァム」の家系である二人は絶対に結婚が認められない関係にありました。

 その二人の想いの中にスズナ・プリシュケ(絵日記の主人公)という女の子が登場し、いろいろあって、プレヴィと交際を始めることになりました。

 程無くスズナとプレヴィは婚約しミダナァム家とコークナァム家の悲恋物語には終止符が打たれた・・・はずでした。

 しかし630年21日、スズナが見たのはデートをしているプレヴィとモーティの姿・・・。

 その背景にはいったいどんなドラマがあったのか?3人の視点で怒涛の3日間を追ってみました。

◇登場人物

スズナ・プリシュケ
(8歳)
主人公。プレヴィを心から愛する。
プレヴィ・ブルゴス
(13歳)
スズナの婚約者、第20代ミダナァム、モーティとはいとこ同士。
モーティ・ブルゴス
(12歳)
コークナァム継承権第1位、スズナの職場の先輩でスズナ憧れのお姉さん。

◆ナァムとは?

 プルト共和国は「ワクト教」を国の宗教と定めています。ウルグという仕事組織には海の恵みの女神リムを信奉する「リムウルグ」、山と森の恵みの男神バハを信奉する「バハウルグ」、大地と火の恵みの女神ガアチを信奉する「ガアチウルグ」があります。
 
 また武術流派であり信仰の対象であるショルグには剣神コークを信奉する「コークショルグ」、拳神ジマを信奉する「ジマショルグ」、導神ミダを信奉する「ミダショルグ」があります。

 その中でショルグの伝統を受け継ぐ司祭を「ナァム」と呼び、ショルグの行事において神への祈りを捧げる役割を担います。共和国には「コークナァム」「ジマナァム」「ミダナァム」の3人のナァムがいることになります。

 「ナァム」は長子相続が原則の世襲制で、何よりも「血縁」を重んじます。(らしい)そのため、ナァムの継承権を持つもの同士が結婚することは認められていません。